2010年1月21日木曜日

12誘導心電図検査において早期再分極が見られる人は、心疾患による死亡リスクが高い

中年で12誘導心電図検査において早期再分極が見られる人は、心疾患による死亡リスクが高いことが、フィンランドのオウル大学内科臨床医学部門のJani T. Tikkanen氏らによって報告された。早期再分極は、12誘導心電図でV1~V3以外の誘導で見られるQRS-ST接合部(J点)の上昇であり、心房細動が発症しやすいことと関連していると言われる。しかし、一般集団でこのパターンが見られた人の予後については、これまでほとんど検討されていなかった。NEJM誌2009年12月24日号(オンライン版2009年11月16日号)掲載より。 地域に住まう中年約1万例を平均30年追跡、有病率と予後の有意性評価 Tikkanen氏らは、一般地域住民の中年(44±8歳)10,864例を対象に、12誘導心電図に早期再分極が見られた有病率と予後の有意性について評価を行った。 平均追跡期間は、30±11年。主要エンドポイントは、追跡期間中の心臓に関連した死因による死亡。副次エンドポイントは、全死因死亡と不整脈による死亡とした。 分析にあたり早期再分極について、下壁または側壁誘導の別に、さらにそれぞれのJ点上昇別(0.1mV以上あるいは0.2mV超)で階層化した。 下壁誘導0.1mV以上の人の心疾患死亡リスクは1.28倍、0.2mV超は2.98倍 0.1mV以上の早期再分極パターンが見られたのは被験者のうち630例(5.8%)だった。内訳は下壁誘導384例(3.5%)、側壁誘導262例(2.4%)で、16例(0.1%)は両誘導で見られた。 下壁誘導0.1mV以上の早期再分極パターンで、主要エンドポイントの増加との関連が認められた(補正相対リスク:1.28、95%信頼区間1.04~1.59、P=0.03)。

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