2013年4月22日月曜日

心不全の悪化を予知できる可能性を示唆

山越憲一教授の先進的ICT遠隔医療システム TBS「夢の扉+」で、「金沢大学理工学研究分野の山越憲一教授の挑戦」を見た。山越憲一教授は、金沢大学理工学分野・人間機械工学科の人間適応制御研究室の教授だ。山越教授の略歴は波乱万丈といえるかもしれない。早稲田大学理工学部大学院の修士課程を終了後、東京女子医科大や東京医科歯科大をへて北海道大学へ移り金沢大学の教授になった。その早稲田大学時代に工学の力で医学に貢献したいと発表したら、「エンジニアのくせに医学のことがわかるのか」と言われてしまう。そこから、山越氏の挑戦が始まった。 将来は高齢化が進み予防医学が必要になると思ったのだ。その発想は医者のものではなく、エンジニアのものだった。便座に座っただけで、血圧・体重・排泄物の量を測定できる。お風呂に入っただけで、心電図・呼吸波形が測定できる。そのような機械を開発したけど、医学界の常識からは外れていた。血圧は、血圧計で測ったものが血圧だというのだ。 富山県射水市市民病院の病院長である麻野井英次さんが、協力を申し出た。孤立無援になるところを助け舟が来たのだ。共同で研究することで、開発が進む。平成22年8月9日には、総務省(北陸総合通信局)から戦略的情報通信研究開発推進制度(SCOPE)に指定された。 現在では、心不全で入院経験のある男性が自宅ですごしている。寝るときに酸素マスクをつけているだけでいいという。布団の下には、生体計測センサーを埋め込んだシートがひかれていた。マットには体温と姿勢の感知を一晩中行う装置がある。枕には、心拍数と呼吸数を感知する装置が埋め込んである。朝起きると、その男性は射水市民病院の担当者と面談する。呼吸安定性という言葉を使っている。 山越さんは、光で血中糖度を測定する装置も開発したいという。ウェアラブル生体計測システムが目指すものものなのだ。病気の危険性のある人に非接触のセンサーで見守り、人々が安心して暮らせる社会が理想なのだ。山越さんの研究には、地元の企業小松電子も加わる予定だという。

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